雁(1953)
| ◇基本データ |
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| タイトル | 雁(1953) |
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| 公開年 | 1953年 |
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| 製作国 | 日本 |
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| 配給 | 大映 |
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| ◇解説 |
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| 明治末期から大正初期にかけて雑誌“スバル”に連載された森鴎外原作の映画化で、「続馬喰一代」の成澤昌茂の脚本を、「春の囁き」の豊田四郎が監督している。撮影は「愛情について」の三浦光雄、音楽は「獅子の座」の団伊玖磨。出演者は「明日はどっちだ」の高峰秀子、宇野重吉、「煙突の見える場所」の芥川比呂志、「刺青殺人事件」の東野英治郎、「あにいもうと(1953)」の浦辺粂子、山田禅二など。 |
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| ◇ストーリー | ※ストーリーには結末の記載を含むものもありますのでご注意ください。 |
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| 下谷練塀町の裏長屋に住む善吉、お玉の親娘は、子供相手の飴細工を売って、わびしく暮らしていた。お玉は以前妻子ある男とも知らず一緒になり、今度は呉服商だという末造の世話を受ける事になった。が、それは嘘も、末造は大学の小使いから成り上った高利貸しで、醜い世話女房にあきたらずお玉に目をつけたのである。お玉は大学裏の無縁坂の辺の小さな妾宅に囲われたが、末造に欺かれたことを知って口惜しく思った。しかし漸く平穏な日々にありついた父親の姿をみると、せっかくの決心もくずれた。その頃毎日無緑坂を散歩する医科大学生の群れがあった。偶然その中の一人岡田を知ったお玉は、いつか激しい思慕の情をつのらせていった。末造が留守をした冬の或る一日、お玉は今日こそ岡田に言葉をかけようと決心をしたが、岡田は見事試験にパスしてドイツへ留学する事になり、丁度その日送別会が催される事になっていた。岡田の友人木村に知らされて駈けつけたお玉は遂に岡田に会う事が出来なかった。それとなく感ずいた末造はお玉に厭味を浴びせ、お玉は黙って家を出た。不忍の池の畔でもの思いにたたずむお玉の傍を、馬車の音が近づいてきて、その中で楽しそうに談笑する岡田の顔が、一瞬見えたかと思うと風のよう通り過ぎて行った。夜空には雁の列りが遠くかすかになってゆく。 |
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